2013年02月10日

光速で移動したらどうなるの?

「ワープ」といえば宇宙戦艦ヤマトみたいに凄いもので、ドラえもんの「どこでもドア」をみると夢見がちになりますが、現実はそこまで甘くないみたいですね(^_^;)


もしも科学シリーズ(41):もしも光速で移動したら

SF映画の定番・ワープ航法。高速で移動すると星々の光が伸び、幻想的な世界が描かれる。一度体験してみたいものだ。
もしも光速で移動できたらどうなるのか?時間が遅れ、周囲の世界が縮み、自分も縮んで見られる。不条理で不可解な世界が待ち受けているだろう。

■1=1.41?

光の速度は秒速およそ30万km。現在分かっている物質でもっとも高速だ。計算が面倒になるので「およそ」ではなく、正確に30万km/秒と仮定して話を進めることにする。

光速度不変の原理では、光の速さは常に一定で、加速も減速もできない。時速100kmで走るクルマから進行方向に100km/時のボールを投げると、地上の観測者にとってボールは100+100=200km/時で飛んでいるはずだ。だが、光にはこの単純な足し算がない。もし光速の50%で進む宇宙船が進行方向に光を放っても30万km/秒で進み、宇宙船の速度は加算されないのだ。

高速移動すると時間の流れが遅くなる「ウラシマ効果」は本当か?秒速4km程度で周回する人工衛星には進む時計が用いられ、時間のズレを補正しているから空想の話ではない。

なぜ遅れるのか?これは「光時計」で説明しよう。光時計は30万kmの筒、底面に光源、天井に鏡を貼(は)るだけのシンプルな構造で、光源から放たれた光は0.5秒で筒の中央を通過し、1秒で天井に到達する。その後、天井の鏡に反射された光は2秒後に底面に戻る。観測者はその時間を計るだけだ。

実験者(A)、観測者(B)ともに光時計を持ち、宇宙で静止し作動させる。光が天井に達するのはA/Bともに1秒後で、2秒後にはどちらも底面に戻ってくる。

次に、Aは光時計を持ったままBから見て右・水平に光速で移動、Bは静止したまま互いに観察する。Aは、自分の光が天井に届くのを1秒後に見るはずだ。

だがBは、Aの光が右上に進んで見える。上/右どちらも同じ速さなので、光は45度右上へ進む。ちょうど縦横30万kmの直角二等辺三角形の斜辺を描き、30万×1.41(=ルート2)=42.3万km先まで進むのだ。

実験後、2人は同じ結果を伝え、あなたを困らせる。

 ・「自分の光はまっすぐ上に進み、1秒後に30万km先の天井に到達した」

 ・「相手の光は斜め上に進み、時計の天井に届くまでに1.41秒かかった」

互いに「相手が遅くなった」というが、ウソつきなのはAか、Bか?

答えは、すべて正解。自分の光は1秒、相手のは1.41秒かかったと「感じた」だけだ。静止していたはずのBの光が斜めに進むのも、AにとってBが移動したように見えただけなのだ。

特殊相対性理論は、その名の通り「相対的」で、基準によって答えが異なる。この例では、移動しているAにとっては1秒だが、静止したBの1.41秒に相当するから、高速で移動すると「時間が遅く流れる」と表現されるのだ。

■80万km=100万km?
縮むのは時間だけではない。
長さ100万kmの列車Aと、80万kmの列車Bがすれ違う実験をしよう。列車Aはあなたから見て左、Bは右に、それぞれ光速の1/3の10万km/秒で進む。列車Bの先頭と後端には光源を取り付け、中央に乗った実験者Cに光を届ける。

2つの列車の「端がそろう」瞬間をきっかけとし、2つの条件でCに向けて光を放つ。
 1.列車A(□)の先頭と、列車B(○)の後端がそろったとき
   ←□□□□□□□□□□
    ○○○○○○○○→
 光発射→

 2.列車Aの後端と、列車Bの先頭がそろったとき
  ←□□□□□□□□□□
     ○○○○○○○○→
            ←光発射

最初に1.が生じ、後方の光源から40万km離れ秒速10万kmで遠ざかるCに光が届くのは2秒後だ。つぎに条件2.がそろうのは、1.から(100万-80万)÷(10万+10万)=1秒後で、さらに1秒後にCに光が届く。結果はどちらも2秒後で、前後の光はCに同時に着くことになる。

光速は不変で、2つの光源はCから等距離だから、同時に着くなら同時に放たれたことになる。だが、光を放つ条件は列車AとBの端が揃ったときだから、同時に発射するには、列車A/Bが同じ長さでないとつじつまが合わない。つまり100万kmの列車Aが、80万kmに縮んだことになる。

もちろん実際の長さは変わらず、縮んで「見える」だけなのだが、光速に近づくにつれ周囲は縮み、周りにとって自分が縮む。時間の遅れと同様に、互いに縮んで見えるのだ。

■まとめ
ワープ時の幻想的な光の帯はむしろ逆で、周囲が縮んで見えるのが正解だ。
子供のころ大好きだったシーンが実現しないと知ると、少々さびしい気分だ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
(マイナビニュースより)
posted by カミガタ at 14:11 | TrackBack(0) | 宇宙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。